千葉の夏の稽古、どう乗り切る?千葉市・空手道武現塾の“熱い”対策とは | 空手 千葉市
夏の暑さ、どう乗り切る?
千葉市・空手道武現塾の“熱い”対策とは!
空手道武現塾・代表 石塚克宏(千葉市)
こんにちは。空手道武現塾の石塚です。
このコラムを書いている今現在(2025年6月18日)、暦の上では梅雨の真っ只中のはずですが、どうにも様子がおかしい。今年はまるで梅雨明けしたかのように晴天が続き、気温もグングン上昇中。岐阜県多治見市ではなんと39,4度(この日の国内1位)を記録したとか……もはや冗談では済まされないレベルです。熱中症がニュースを賑わすのも当然の状況ですね。
道場での稽古においても、この「暑さ対策」は極めて重要な課題です。今回は、千葉市にある当道場・空手道武現塾での“熱い夏”をどう乗り切るか、そのために私が実践している具体的な工夫や道場生に伝えている対策をお伝えしていきます。
1. 昔とは違う!現代空手の水分補給事情
まずは基本中の基本、「水分補給」について。これは道場生や保護者の方にとって最も身近で、かつ見落としがちな大切なポイントです。
今の時代、昔のように「水を飲むな!」なんてことは言いません。むしろ、こまめな水分補給を積極的にすすめています。ですが、大量の汗をかいたときには、ただの水だけでは体が吸収しきれないこともあります。
このコラムの一番最初の「稽古に関する豆知識」でも書きましたし、私がこれまでに何度か道場生には伝えてきた内容を簡単におさらいすると――
・汗をダラダラかいている時に塩分の入ってない水分だけを摂取し続けると死亡する場合がある
詳しくはコラム1回目の「稽古に関する豆知識(①水分補給)」に記載しております。
- 理想的な塩分濃度は0.2%
- 水1リットルに対して塩2g(ひとつまみ程度)
- 余裕があれば糖分も0.4%ほど加える
- 砂糖なら2つまみ程度。スポーツドリンク的な感覚です。
- 簡単に説明すると汗をダラダラかく時、塩分の入って無い飲み物にはひと摘みの塩分を入れて下さい、と言う事です。
そして、ひと手間かけられる人は砂糖をふた摘み入れるとより良いと言う事です。
さらに、味の点でも一工夫を。普通の食卓塩ではどうしても味が尖ってしまい、子どもたちが嫌がることも。そこでおすすめなのが、旧武現塾道場で置いていた「モンゴル岩塩」などのまろやかな天然塩。これならお茶に少量入れても、少年部の子たちでも違和感なく飲めていました。

2. 真夏前からの“慣らし運転”がカギ!
熱中症対策というと、真夏にやるものと思っている方も多いですが、本当に大切なのは「暑さに体を慣らしておくこと」です。これは私が毎年のように保護者の皆さんに伝えていることでもあります。
おすすめの方法は、朝や夕方の散歩。まだ気温がそれほど高くない時間帯に、外気に身を晒しておくことで、体が“夏モード”に徐々に慣れていきます。いきなり真夏の猛暑に飛び込むのではなく、段階的に暑さに慣れることが大切なのです。
屋外スポーツをしている子は、やはり暑さに強いです。例えば高校野球。甲子園を目指す球児たちは、真夏の炎天下で連日練習していますよね。今年からは炎天下での試合は減らす方針のようですが、それでも「暑さに耐えられないヤツは甲子園には行けない」なんて言葉もあるくらいです。

3. 空手道場ならではの“熱中症回避策”
さて、私たちの空手道に話を戻しましょう。
現在、千葉市内で空手道武現塾が主に使用している稽古場は、幕張コミュニティーセンターと穴川コミュニティーセンターの体育館です。残念ながら、どちらにも冷房設備はありません。つまり「蒸し風呂状態」になるわけです。
特に厳しいのが幕張の体育館。私たちの稽古の前はバドミントンが使っており、風は天敵ということで窓は締め切り、さらに窓には暗幕。これがそのままの状態で引き継がれるのです。窓は開けても、暗幕は動かせないらしいです。結果として“密閉サウナ”状態になります。
こうした環境では無理をしないことが第一です。そのため、私は体育館内の気温が少しでも下がる時間まで野外での基本稽古やランニングを取り入れるようにしています。少しでも風が通り、自然の空気がある方が体への負担は軽いからです。
けど、暑い、暑い、と言っていても我々の他、同じ体育館内で卓球や剣道の方々も頑張ってます。子供達も汗びっしょりで頑張ってますので頼もしい限りです。
4. エアコン慣れの落とし穴
熱中症になる子の多くは、普段エアコンの効いた部屋で長時間過ごしている子です。夏休みなどで一日中涼しい部屋にいて、急に蒸し暑い体育館で稽古……。これでは体が対応できるはずがありません。
特に運動習慣が少ない子どもは要注意。外遊びやスポーツなどを普段からしている子と比べて、発汗の機能が未発達なケースも多いのです。発汗もまた“訓練”です。子どもたちには、暑さを避けるだけではなく、少しずつ慣れていくことが必要なのです。
5. 下着を着る?実はバテ防止の裏技!
「こんなに暑いのに、Tシャツの下に下着なんて着てられるか!」
20年前の私が、あるテレビ番組を見て思った言葉です。しかし、その番組では、サッカーチームを対象にした実験を行っていました。ビブスの下に綿の下着を着るチームと、着ないチームで体温を測定したところ、下着を着た方が体温が低かったという結果が出たのです。
その事を思い出し、昨年の春から試してみたところ――驚くほど体がラクだったのです。今は速乾性のある下着も豊富に販売されており、重ね着の不快感も少ない。現場仕事をしている方の中では“常識”のようで、「今さら何言ってんの?」といった反応もありました(笑)。
6. 最新グッズを活用せよ!
近年では、熱中症対策グッズも多様化しています。たとえば――
- 冷感素材のインナー(ピタッとした長袖シャツやタイツなど)
- 首元を冷やすネッククーラー
- 手に持つだけで血流を冷やす冷たいペットボトル
特に「AVA血管」と呼ばれる手のひらや指先の血管を冷やすのは、体温調節に効果的です。熱中症予防になります。ただし、冷凍したペットボトルは逆効果になることも。冷たすぎると血管が収縮してしまい、かえって熱がこもってしまうので注意しましょう。

7 . 汗をかいた後は“たんぱく質”で夏バテ予防!
夏の稽古やランニング、外活動でしっかり汗をかいた後、実はもう一つ意識しておきたいのが「たんぱく質の補給」です。
例えば、ふろ上がりに牛乳を1杯飲む――これだけでも十分効果があります。汗とともに失われたミネラルやエネルギーを水分と共に補い、たんぱく質によって筋肉の回復や体調維持に必要な栄養素を効率よく吸収できます。
特に、夏場は食欲が落ちて、つい冷たいものやあっさりした炭水化物ばかりに偏りがち。そこにたんぱく質が不足すると、筋肉量の減少や夏バテが加速する要因になってしまいます。
- 食が細くなりがちな子どもには、牛乳やヨーグルト、プロテインゼリーなど、**手軽に摂れる“飲むたんぱく質”**もおすすめです。
- 稽古後すぐの「30分間」は“栄養のゴールデンタイム”と呼ばれており、この時間にたんぱく質を摂ることで疲労回復がスムーズになります。
空手の稽古で汗を流すなら、そのあとのリカバリーもしっかりと。体作りの基本は「鍛えて、休んで、補う」ことです。
8 . 頭を守れ!帽子の重要性
夏合宿のときのこと。帽子を持ってきた道場生が、「汗でビショビショになるから」という理由でランニング時に帽子を外しました。結果、その子は途中でうずくまってしまい、熱射病でダウン。幸い、ライフセーバーの方の助けで事なきを得ましたが、あの一件は私の中でも教訓になっています。
**帽子は必ず着用しましょう。** 汗で濡れようが、暑かろうが、頭部を直射日光から守ることは命に直結します。
写真のように後頭部も守れるのが好ましいですね。

9 . 自分の体は自分で守る時代へ
情報は今の時代、溢れるほどあります。その中から「自分に合った対策」を見つけることが何よりも大切です。そして、それを“習慣化”していくこと。対策を知っていても、実際にやらなければ意味がありません。
道場では空手の技だけでなく、「自己管理能力」も鍛えてほしいと考えています。自分の体調を見極め、水分や塩分、服装、行動時間帯などを自分で調整する――。これはまさに現代における“武士のたしなみ”ではないでしょうか。
おわりに:空手道場は“生きる力”を育む場所
夏の空手稽古は確かに過酷です。しかし、その中で自分の限界を知り、工夫し、乗り越える力を身につけることができれば、それは一生モノの財産になります。
空手道武現塾では、ただ「強くなる」だけでなく、「賢く乗り切る力」も教えていきたいと考えています。この夏も、暑さに負けず、楽しく、時には厳しく、共に稽古に励んでいきましょう!
押忍!
追加。私が飲み物に入れてるもの。左からクエン酸、モンゴル岩塩、黒砂糖です。皆さんもご参考に(^^)


空手道武現塾の石塚克宏です。
現在(2025年6月18日)、梅雨のど真ん中のはずですが、梅雨明けしたのではないのか?と思われるほど晴れて暑いです。名古屋では37度とか…。恐ろしい(´・ω・`)
このコラムの最初の一番最初に「稽古に関する豆知識」で書いた事です。
私らの若い時代とは違い、今は水を積極的にすすめている時代です。但し、汗をダラダラかいている時には真水では無くて塩分が入った水が良いと書きました。
簡単に説明すると塩分は0.2%です。水1リットルでしたら2gですね。それに面倒で無い人は0,4%の糖分を入れた方が良い、と書きました。
面倒な人は塩一つまみを入れるだけでもOKです。ひと手間かける人は、塩に加えて砂糖を二つまみ入れてみてください。
「稽古に関する豆知識」でも書きましたが、お茶などに通常の塩を入れると不味いです。しかし、以前 旧武現塾道場の置いてあったモンゴル岩塩を使用しますと少年部の子らも問題無く飲んでいました。詳しくはそちらを読んでみて下さい。
夏対策ですが、真夏になる前に暑さに慣らしておく必要性はニュースなどでも聞いていると思います。
その一つが朝や夕方の散歩です。まだ、余り暑くない朝夕の外気温に当たり、今のうちから少しずつ暑さに慣らすのがお薦めです。
そして、汗をかく。大事な事です。
これは今までの事ですが、野球やサッカーなど野外スポーツをやっている子は暑さに強いです。甲子園球児を考えてみれば分かると思います(今年からは真昼間の時間帯はやらないそうですが…)。甲子園球児が熱中症で何人も運ばれた、と言う話は聞いた事がありません(1人や2人はいるでしょうが)。県予選などで夏の暑さに耐えられないようなヤツは甲子園には行けないって事でもあるんでしょうね。
さて、空手に戻します。幕張コミュニティーセンターや穴川コミュニティーセンターの体育館には冷房設備はありません。
コロナ禍で産まれた副産物でもあるでしょうが、最初は野外ランニングをして暑すぎる時はそのまま野外で基本稽古をするようにしています。体育館は蒸し風呂状態ですからね。増して、幕張コミュニティーセンターでは私らの前の時間はバトミントン。風は天敵なので、締め切った室内で窓には暗幕がひかれてます。私らの時間になっても暗幕はそのまま。窓は開けても、暗幕は開ける事が出来ないそうです。考えなくとも分かると思います。恐ろしいです。なので、少しでも涼しくなるのを待つ意味でもランニング、基本稽古を野外でやるのです。それでも気分が悪くなってロビーで休ませる子が出てきます。そのような子の多くの場合は夏休みなどで一日中エアコンのある室内にいた、というパターンです。涼しくて快適な場所から暑い場所へ…。しかも、普段からずっと。野外スポーツもやっていない、それでは体が慣れていません。
上記の事から言える事は普段から暑さに体を慣らす事と水分補給には塩分が必要だと言う事です。
服装でも工夫があります。それはメディアなどでも数多く報道されているので割愛しますが、生地の種類などありますよね。
それに加えて私がやっている事はTシャツやワイシャツなどは直接肌に触れないように下着を着る事です。
20年近く前にテレビで実験をやっていました。
サッカーチームの人達の着ているビブスの中に綿の下着を着させるチームとビブスだけのチームとです。
彼らは下着を嫌がっていましたが、練習試合後に彼らの体温を測定したら下着を着ていたチームの方が低いという結果でした。
つまり、スタミナがロスされない、バテにくいという結論に達したのでした。その時、私は「この暑いのにTシャツの下に下着なんて着てられるか!」と思ったのです。
しかし、昨年 急にその事を思い出して春辺りから試したのです。夏になっても前の年より体が楽な事に気が付いたのです。体温を測っていた訳ではありませんが、上昇しなかったのでしょう。
その事を現場仕事をしている人に話をしたら、彼らの中では常識だったようです。
今は速乾性の物がありますよね。良い物が売っています。
スポーツクラブでもハーフパンツの下にタイツを履いている人もいます。上も同じような素材でピタッとした長袖です。あれは汗をかくと涼しくなる素材です。
また、首元には頸動脈、経静脈があり、それらを冷やすと良いようです。そこを冷やすグッズも売ってますよね?
また、冷たいペットボトルを持つだけでも手のAVA血管を冷やすので熱中症予防になるそうです。冷凍した物は血管が縮んでしまって血流が悪くなり、冷たい血液が回らなくなり、ダメだそうです。逆に、冬なんかは手を温めると良いようですね。
頭部を守る帽子は必須です。一昨年の夏合宿で帽子を被って来た子がランニングでは「汗でビショビショになるから。」と言う理由で帽子を被らずにランニングをした結果、それだけが理由ではありませんが、熱中症でうずくまってしまいました。ライフセーバーの方に助けて貰いました。熱射病というヤツらしいです。直ぐに回復したのでホッとしましたけどね。
色々な情報があります。自分に合った、出来る事を活用して暑い夏を乗り切りましょう。