千葉市・空手道武現塾の心得。まずは行動 | 空手 千葉市

空手道武現塾の石塚克宏です。 今回は「行動と思考」について、私自身の体験や道場での指導を通じて感じていることをお話ししたいと思います。

思いついたら、まず動く

私は何かを思いついたとき、まず最初にやるべきことは「行動」だと思っています。もちろん、状況によっては計画を立てたり、周囲と調整をしたりする必要もあるでしょう。しかし、どれだけ良い計画を立てたとしても、行動しなければ何も始まりません。

思い描くだけでは何も変わらないのです。

たとえば、空手の稽古について考えてみましょう。 「今日はちょっと疲れてるから休もうかな」 「この技、難しそうだから後回しにしようかな」 そう考えているうちに、気がついたら何も進んでいないことがあります。ですが、「とにかく道場へ行こう」と思って一歩踏み出せば、不思議と気持ちが前向きになり、稽古にも集中できたりするものです。

行動は気持ちに火をつけます。やる気があるから行動するのではなく、行動するからやる気が出てくる。これは、多くの人が見落としがちな真理ではないでしょうか。

小さな変化が人生を動かす

「行動」と聞くと、大きな挑戦や劇的な変化を想像するかもしれません。でも、そうではありません。大切なのは小さな一歩です。

たとえば、30分早起きしてウォーキングをする。 あるいは、帰りのバスを2つ手前で降りて歩く。

たったそれだけのことでも、自分自身の意識は変わってきます。身体を動かすことは心にも変化をもたらします。「自分は変わろうとしている」という感覚が自信につながっていくのです。

ただし、ここで忘れてはいけないのが「継続」です。 3日坊主では効果は期待できません。むしろ、「たった3日で変わるわけがない」と自分を責めてしまう原因にもなります。ですが、1ヶ月、半年、1年と続けていくうちに、必ず何かが変わっていきます。そして、その小さな行動の積み重ねが、やがて人生そのものを変えていく力を持つのです。

「自分を変えること」が「未来を変える」

私の好きな言葉の一つに、こんなものがあります。 「過去と他人は変えられない。未来と自分は変えられる。」

この言葉には、とても深い意味があります。過去にどんな失敗をしても、それをやり直すことはできません。そして、他人を自分の思う通りに変えることもできません。しかし、自分の行動や考え方を変えることはできる。そして、自分が変わることで未来も変わっていくのです。

道場での指導でも、そうした変化を目の当たりにすることがあります。 たとえば、かつてイジイジしていて、周囲から軽く扱われていた子が、稽古に真面目に取り組み、試合で優勝したとします。そうなると、周囲の見る目は一変します。 「あいつ、すごいな」「本気で努力してるんだな」 そうやって、かつての印象が塗り替えられ、新たな人間関係が生まれてくるのです。

もちろん、だからといって空手の技術を使って威張ることはあってはなりません。 空手着を着て、組手の時間以外で人を叩いたり蹴ったりするのは絶対にNGです。 空手は人を倒すための技ではありますが、自分を鍛えるための道。間違った方向に進んでしまったら、場合によっては破門もやむを得ません。

自分が変われば、周囲は変わる

「自分を変えると、周囲の人も変わってくる」 これは私が道場で長年生徒を見てきた中で、何度も実感してきたことです。

勉強の成績がクラスで下から2番目だった生徒が、一念発起して勉強に取り組み、トップを争うレベルになったとしましょう。すると、今まで話したことのなかったような成績優秀なクラスメイトと自然に会話が生まれるようになります。以前だったら馬鹿にされていたかもしれませんが、今や対等、あるいは尊敬の眼差しさえ向けられる存在になっている。

空手でも同じです。 かつてビクビクしていた子が、試合で堂々と戦うようになったとき、周囲は自然と認めてくれるようになります。人は見た目や態度から多くを感じ取ります。自信のある者の雰囲気、背筋を伸ばして道場に立つ姿、それだけでも周囲に「何かが違う」と思わせる力があるのです。

続けることで「凄い人」になれる

最初は「そんなこと続けられないよ」と言われていたようなことでも、1年、2年と継続していくうちに、周りからは「よく続けてるなあ」「本当に凄いね」と言われるようになります。

これは決して特別な才能があるからではありません。 続けるというシンプルな行動を、ただやり続けただけです。ですが、それこそが一番難しく、一番価値のあることでもあります。

努力している姿は、必ず誰かが見ています。そして、自分自身も変わっていきます。 昨日よりも今日、今日よりも明日――少しずつでも前進することで、気づけば大きな差が生まれているのです。

行動によって得られる“人との縁”

行動すると、必ず「人との出会い」があります。 これは偶然のようで、実は必然だと思っています。何かに挑戦する、道場に足を運ぶ、新しい場所へ出かけてみる――そうした一歩が、これまでの自分では出会えなかった人を引き寄せるのです。

私自身、空手を通じて本当に多くのご縁をいただきました。中には20年以上の付き合いになる仲間もいます。そうした人たちは、最初から「気が合いそうだ」と思って近づいたわけではありません。お互いに真剣に空手に向き合ってきたからこそ、生まれた信頼関係です。

稽古をサボっていたら、出会えなかった人たち。 大会に出場しなければ、得られなかった感動。 海外に行く勇気を出さなければ、知り合えなかった仲間。 すべては「行動」から生まれたご縁です。

そして、この“人との縁”がまた自分を成長させてくれるのです。 「この人には負けたくない」「この人のようになりたい」 そんな気持ちが、自分を突き動かす原動力になります。

子どもたちに伝えたい「自分で決める力」

道場では多くの子どもたちに空手を教えています。中には、親に連れられて仕方なく来ている子もいます。でも、続けるうちに、だんだんと「自分の意志」で動くようになってくるのです。これがとても大切です。

「やらされている」うちは、力は出ません。 でも「自分で決めた」瞬間から、顔つきが変わります。 一歩が軽くなり、声も大きくなり、技に力が乗るようになります。

大人も同じです。「やれと言われたからやる」ではなく、「自分でやろうと決めた」ことには意味があるし、結果も変わってきます。

だからこそ私は、子どもたちにこう言います。 「まずはやってみよう。やってから考えればいい」 何もしないまま悩んでいても、時間だけが過ぎていきます。 それならまず一歩。その方が絶対に前に進んでいます。

行動は“未来の自分”への手紙

今、あなたが取った行動は、半年後、1年後のあなた自身に大きな影響を与えます。 今のあなたが積んだ努力は、未来のあなたが必ず受け取ってくれます。まるで“未来の自分”への手紙のようなものです。

「頑張っている自分」を裏切らないように、 「努力している自分」を誇れるように、 今日も一歩を踏み出してみてください。

まずは一歩。そこからすべてが始まる

何かを始めるとき、最もエネルギーがいるのは「最初の一歩」です。 でも、その一歩があるかどうかで、未来は大きく変わります。

空手でも、仕事でも、勉強でも、人生でも同じです。 「まずやってみる」「まず動いてみる」 このシンプルな習慣が、気がつけば人生そのものを変えていきます。

どんなに大きな夢や目標でも、最初の一歩がなければ始まりません。 逆に、どんなに小さなことでも、一歩踏み出せば何かが動き出します。

繰り返します。まずは行動です。第一歩を! さあ、今日から、いえ、この瞬間から始めてみましょう。 未来を変えるのは、他でもないあなた自身です。

空手道武現塾・代表
石塚克宏(千葉市)