一番は選手の安全

空手道武現塾の石塚克宏です。
今朝のニュースを見ていて非常に腹が立ちました。空手道に関するニュースです。
ご存知の方もいると思います。
簡単に説明すると少年部の試合中に片方の選手が背中を向け、主審が「待て」の合図。その直後、背中を向けた選手が後頭部を蹴られてダウン。試合中に背中を向けるのも悪いのですが、主審の合図を無視する選手も悪いし、それが聞こえていたか、どうかは分かりせんが、「行け、行け!」とけしかけたセコンドの先生はもっと悪い。
そして、一番の問題は選手がうずくまっているのに審判団の誰も駆け寄って様子を見ずに協議をしていた事。例え反則であろうが、有効打であろうが倒れている選手がいたら様子を見るのが第一優先事項です。
下記が記事です。

https://www.bengo4.com/c_18/n_18132

私は40年以上空手道に関わっていますが、あのような光景を見た事も聞いた事もありません。
まずは選手の安全を優先しなければなりません。うずくまっていて立ち上がらない選手にはまず声を掛けて様子を見るのが当然の事です。
それにしても、セコンドの支部長の人は主審の「待て」が聞こえなかったのでしょうか?画像では主審はちゃんと言っています。
それに蹴る選手も反則部位である後頭部を蹴ってはいけません。
しかし、蹴られた選手も例え主審が「止め」や「待て」を言ったとしても構えたまま警戒し続けなければなりません。背を向けた選手は、恐らく試合中の打撃戦の中で顔を殴られて(映像では顔に手を当ててます)、アピールしたかったのでしょう。それで背中を向けてしまったのです。

昔の話ですが、極真会主催の第5回世界大会。スイスのアンディ・フグ選手とブラジルのフランシスコ・フィリオ選手が4回戦で戦っていた時にフグ選手が反則の「掴み」をして副審の笛が鳴り、主審が「止め」の合図が掛かりました。しかし、フィリオ選手は蹴りのモーションに入っていて止まらずフグ選手に上段回し蹴り。一本です。ヨーロッパ選手団は猛抗議。しかし、最高審判長である大山総裁は退けたのです。油断する方が悪い、と。下記がその映像です。

話を元に戻します。この時でさえフグ選手を介抱する主審と駆け寄る大会ドクターらしき人。選手の安全を第一に考えるが当然。
ウチの道場でも「止め」や「待て」の合図の直後の攻撃は有効打としてます。何年か前の一般部でもあったのですが、私が主審を務めていた時にある選手が上段回し蹴りを放とうした瞬間に「時間です」のアナウンス。とほぼ同時に私が「止め」。しかし、蹴りは止まりません。上段に当たり、一本としました。私や審判団はマイクで説明し、改めて一本を宣言しました。
あとでビデオで見ても「止め」の合図の直後(恐らく0、2〜0、3秒)に「(上段に蹴りが)バシ!」と。選手は止められない動きでした。勿論、直後には蹴られた選手の様子を伺っていたのは言うまでもありません。

今回の審判団は、一体何を考えて普段から指導しているのか?勝つ事だけを第一に考えているのか?自身の審判技量の事なのか?本来は選手の安全を第一に考える。これは当然の事ですが、私らも十分に気を付けたいと思います。

さて、今日の稽古は穴川コミュニティーセンターでの少年部から。8名での稽古。

基本稽古後はキックミット。白帯のルイ君、良い蹴りです(^^)

負けじとコウタ君も(^^)

上級生は流石に迫力がある蹴りを出します。

サクト君とタツキ君の兄弟対決。

この後、ボディプロテクター着用しての試合形式でのスパーリングで〆ました。

続いてスタジオアドバンスで2部の稽古。

全体で回してのスパーリング後は少年部同様にボディプロテクター着用しての試合形式でのスパーリング。アレク君とコテツ君をやらせました。コテツ君はアレク君にはまだ敵いませんな。
そのアレク君は沖縄の試合に出る、との事。気が変わらなければ良いのですが…。頑張れよ!
今日は7名での稽古でした。

来週はもっと強度を上げたいと思います。